複合機(ふくごうき/MFP)とは、印刷、コピー、読み取り、ファクスといった複数の機能を、一台にまとめた機器のことです。事務所に置かれている大型のものから、家庭向けの小型のものまであり、職場では一台を共有して使うのが一般的です。
現実世界に例えると、複合機は刃物やドライバーが一本にまとまった万能ナイフのようなものです。道具ごとに持ち歩く必要がなく、置き場所も一か所で済みます。そのかわり、壊れるとすべての機能が同時に使えなくなります。
備えている主な機能
| 機能 | できること | よくある使われ方 |
|---|---|---|
| コピー | 紙を読み取って刷る | 配布用の複製 |
| プリンター | パソコンから印刷する | 資料や帳票の出力 |
| スキャナー | 紙をデータに変える | 電子化、メール送付 |
| FAX | 電話回線で送受信する | 取引先とのやり取り |
一台にまとめる利点
導入が進んだ理由は単純です。機能ごとに機器を並べるより設置面積が小さくて済み、消耗品や保守の契約も一本にまとめられます。使う側も、操作を一つ覚えれば済むため、機器ごとに手順を覚え直す必要がありません。電気代や配線の手間も、まとめたぶんだけ減ります。
ネットワークにつないで共有する
事務所での使い方の基本です。有線や無線で社内のネットワークにつなぎ、複数のパソコンから同じ一台へ印刷を送る形が標準になっています。読み取ったデータを共有フォルダへ直接保存したり、メールで送ったりする機能も備わっており、紙と電子の橋渡しを担っています。
止まると全部止まる
まとめたことの裏返しです。紙詰まりや故障が起きると、印刷もコピーも読み取りもすべて使えなくなり、業務が広く滞ります。一台しか置いていない事務所では影響が大きいため、保守の駆け付け時間を契約で確かめておく、小型機を予備に用意しておく、といった備えが要ります。
読み取ったデータの扱いに注意
安全面で見落とされやすい点です。多くの機種は内部に記憶装置を持ち、読み取った書類やコピーした内容が一時的に残る仕組みになっています。機器を入れ替えたり返却したりする際は、この中身を消去する作業が必要です。リース満了時の手順として、契約書に記載があるか確認します。
印刷物の放置も問題になる
共有ならではの危険があります。送信した印刷物をすぐ取りに行かないと、別の人の目に触れたり、持ち去られたりする恐れがあります。暗証番号を入力するまで印刷を保留する機能を使えば、本人が機器の前に立ったときだけ出力されるため、この手の漏えいを防げます。
カウンター方式の料金
費用の仕組みを知っておくと比較しやすくなります。業務用の機種は、本体をリースで借り、印刷した枚数に応じて保守料を払う「カウンター料金」の形が一般的です。この料金に消耗品や修理が含まれるため、トナーを別途買う必要はありませんが、枚数が少なくても最低額が発生する契約もあります。
ペーパーレス化との関係
近年の位置づけにも触れておきます。紙の使用そのものを減らす流れの中で、複合機の役割は「刷る機械」から「紙を電子に変える入口」へと移りつつあります。読み取ったその場で文字を認識し、検索できる形で保存する機能を備えた機種も増えてきました。



コメント