Miracast(ミラキャスト)とは、Wi-Fiを使ってパソコンやスマートフォンの画面を、テレビやディスプレイへワイヤレスで映し出す技術規格のことです。業界団体「Wi-Fi Alliance」が策定した標準規格で、WindowsやAndroidなど多くの機器に標準機能として搭載されています。
現実世界に例えると、Miracastは「専用の道具を使わずに、その場で相手と直接やり取りする」ような仕組みです。仲介役となるルーターを介さず、機器同士が直接手を取り合って映像を届けます。
Miracast図解
基本的な仕組み
Miracastは「Wi-Fi Direct」という技術を使い、ルーターを経由せずに機器同士を直接無線接続します。画面に映る内容をそのまま複製して送信する方式のため、パソコンやスマートフォンの画面を、そのままテレビ側にミラーリング表示できます。
利用に必要なもの
送信側の機器(パソコン・スマートフォン)と、受信側の機器(テレビや対応レシーバー)の両方がMiracastに対応している必要があります。テレビ自体が対応していない場合でも、Miracast対応の受信専用ドングルをHDMI端子に接続することで、対応機器として使えるようになります。
接続方法
多くの場合、送信側の設定画面から「ワイヤレスディスプレイに接続」のような項目を選び、表示された受信機器の一覧から接続先を選ぶだけで完了します。インターネット回線への接続やアカウント登録が不要な点も、手軽に使える理由のひとつです。
ワイヤレスHDMIとの違い
Miracastは規格化された技術のため、対応している機器同士であれば、メーカーが違っても組み合わせて利用できます。同一メーカー・同一製品同士での利用が前提になっているワイヤレスHDMIとの違いは、下の表の通りです。
| 項目 | Miracast | ワイヤレスHDMI |
|---|---|---|
| 接続方式 | Wi-Fi Direct(無線LAN規格) | 専用の無線方式(メーカー独自の場合が多い) |
| 必要な機器 | 対応済みの機器同士でそのまま利用可 | 専用の送信機・受信機セットが必要 |
| 対応範囲 | 規格に対応した機器なら幅広く利用可 | 同一メーカー・同一製品同士が前提 |
利用シーン
会議室でノートパソコンの画面をプロジェクターに映したり、リビングでスマートフォンの写真や動画をテレビの大画面で楽しんだりする場面でよく使われています。ケーブルの抜き差しが不要なため、複数人が入れ替わりながら画面を映す会議の場でも扱いやすい仕組みです。
注意点
Wi-Fi Directによる直接通信のため、周囲の電波状況によっては映像が乱れたり、接続が不安定になったりすることがあります。また著作権保護のかかった動画配信サービスの映像は、Miracastでの出力が制限される場合がある点にも注意が必要です。
他の画面共有技術との違い
似た技術に「Chromecast」がありますが、こちらは家庭内のWi-Fiルーターを経由してインターネット経由でストリーミング配信を行う仕組みで、ルーターを使わないMiracastとは接続方式が異なります。用途や対応機器に応じて、適した規格を選ぶことが大切です。
対応状況の確認方法
パソコンやスマートフォンがMiracastに対応しているかは、多くの場合、画面共有の設定項目の有無で確認できます。テレビ側が対応していない場合でも、対応レシーバーを追加することで利用可能になるため、買い替え前にレシーバーの購入で対応させる方法も検討する価値があります。
あわせて知っておきたい用語
- Wi-Fi Direct:
ルーターを介さずに、機器同士が直接無線で通信できる規格です。 - ミラーリング:
ある機器の画面表示内容を、そのまま別の機器の画面にも映し出すことです。 - HDMI:
映像と音声を1本のケーブルでまとめて伝送できる、機器接続用の規格です。 - Chromecast:
Googleが提供する、ネットワークを経由して映像をテレビへ配信する機器・技術です。



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