トラッキング(Tracking)

トラッキング(Tracking)とは、Webサイトやアプリで、利用者がどのページを見て、何をクリックし、何を買ったかといった行動を記録して追跡することです。サイトの改善や広告の効果の測定に使われる一方、プライバシーへの懸念から、規制や対策も強まっています。

現実世界に例えると、トラッキングはお店の中で、お客さんがどの棚の前で立ち止まり、何を手に取り、何を買ったかを記録し続けることのようなものです。品ぞろえの改善には役立ちますが、度が過ぎれば、見張られているようで落ち着きません。

何を記録するのか

集められる情報です。トラッキングでは、閲覧したページ、滞在した時間、クリックした場所、どこから来たか、商品を買ったかどうかなどが記録されます。利用者の端末の種類や、おおよその地域なども合わせて集められます。こうした記録を積み重ねることで、利用者の興味や行動の傾向が見えてきます。

主な手法

記録の仕組みです。トラッキングには、いくつかの代表的な手法があり、組み合わせて使われることもあります。

手法 仕組み 主な場面
Cookie ブラウザーに目印の情報を保存する Webサイト
トラッキングピクセル 見えない小さな画像を読み込ませる Webサイト、メール
広告ID 端末ごとの広告用の識別番号を使う スマホのアプリ
フィンガープリント 端末の設定の組み合わせで見分ける Cookieが使えない場合

サイトの改善に使う

運営者にとっての使い道です。アクセス解析の道具を使えば、どのページがよく読まれているか、どこで読むのをやめてしまうかが分かります。読まれない記事の書き方を見直す、申し込みの手順で離れる人が多い画面を改善するなど、数字にもとづいてサイトを良くしていけます。

広告に使う

もうひとつの大きな使い道です。一度訪れたサイトの商品の広告が、別のサイトを見ているときにも表示されるのは、トラッキングで行動を追っているためです。また、広告を見た人が実際に商品を買ったかどうかを計測し、広告の効果を確かめるのにも使われます。アフィリエイトの成果の計測も、この仕組みを使っています。

プライバシーへの懸念

問題になっている点です。複数のサイトにまたがって行動を追い続けると、本人が知らないうちに、趣味や悩み、生活の様子までが推測されてしまうおそれがあります。集めた情報がどこに渡り、どう使われているのかが分かりにくいことも、不安の原因になっています。

ブラウザーやスマホの対策

技術による対策です。AppleのSafariは、サイトをまたいだトラッキングを防ぐ機能を備えており、iPhoneでは、アプリが行動を追跡する前に利用者の許可を求める仕組みが導入されました。多くのブラウザーでも、他社のサイトが置くCookieを制限する動きが進んでおり、トラッキングの手法は大きな転換期を迎えています。

法律での扱い

ルールの整備です。欧州では、追跡に使うCookieを利用する前に、利用者の同意を得ることが求められています。日本でも、2023年から、利用者の情報を外部に送る仕組みを使うWebサイトやアプリに対して、送る内容や送り先を公表するなどの対応が求められるようになりました。運営者は、こうした決まりに沿った説明が必要です。

利用者ができること

身を守る方法です。ブラウザーのプライバシー設定でサイトをまたいだ追跡を防ぐ、Cookieの同意の画面で不要な項目を断る、スマートフォンの設定でアプリの追跡を許可しない、といった方法があります。すべてを断るとサイトの一部が使いにくくなることもあるため、自分にとって必要な範囲を考えて選ぶとよいでしょう。

あわせて知っておきたい用語

  • クッキー:
    Webサイトが閲覧者の情報を、ブラウザーに一時的に保存する仕組みです。
  • オプトイン:
    利用者から、事前に同意を得てから行う仕組みです。
  • アクセス解析:
    サイトの訪問者の数や行動を集計して分析することです。
  • アフィリエイト:
    サイトで商品を紹介し、売れた分に応じて報酬を受け取る仕組みです。

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