PCカード(PC Card)とは、かつてのノートパソコンに搭載されていた拡張スロットに差し込んで使う、クレジットカードほどの大きさの拡張機器のことです。モデムやLAN機能、メモリの追加など、さまざまな機能を後から付け足すために使われていました。
現実世界に例えると、PCカードは差し替えて使う交換用の道具セットのようなものです。1つの差込口(スロット)に対し、その時々で必要な機能のカードを差し替えることで、1台のノートパソコンをさまざまな用途に対応させられました。
PCカード図解
規格の成り立ち
PCカードは、「PCMCIA」という業界団体が策定した規格で、当初は「PCMCIAカード」とも呼ばれていました。ノートパソコンの限られた内部スペースでも、後から機能を追加できるようにする目的で標準化された規格です。
主な用途
| 種類 | できたこと |
|---|---|
| モデムカード | 電話回線でのインターネット接続 |
| LANカード | 有線・無線ネットワークへの接続 |
| メモリカード | 作業用メモリの増設 |
ノートパソコンでの役割
当時のノートパソコンは、現在ほど標準機能が充実しておらず、通信機能なども別途カードで補うのが一般的でした。PCカードスロットは、限られた本体スペースの中で機能を柔軟に拡張できる、貴重な差込口として重宝されていました。
サイズによる分類
PCカードには、厚みの違いによって「Type I」「Type II」「Type III」という3種類の規格がありました。薄いカードは通信用など、厚みのあるカードはハードディスクの内蔵など、用途に応じて異なる厚みのカードが使い分けられていました。
後継規格への移行
その後、より高速なデータのやり取りに対応した「CardBus」という改良規格が登場し、さらに後継として「ExpressCard」という別規格へと移り変わっていきました。技術の進歩とともに、求められる通信速度や機能に対応する形で規格そのものが更新されていったのです。
姿を消していった理由
USBポートの普及と高速化が進んだことで、わざわざ専用の拡張スロットを使わなくても、USB接続の機器で同じ機能を手軽に追加できるようになりました。ノートパソコンの薄型化が進んだことも重なり、PCカードスロット自体が搭載されなくなっていきました。
抜き差しのしやすさという特徴
PCカードは、パソコンの電源を入れたまま抜き差しできる「ホットスワップ」に対応していたことも特徴のひとつです。使う場面に応じてカードを差し替えるだけで機能を切り替えられる手軽さは、当時としては先進的な使い勝手でした。
現在の位置づけ
現行のノートパソコンにPCカードスロットが搭載されることは、ほぼ無くなっています。古い業務用機器や特殊な現場で今も使われている例は残っていますが、一般的な利用の場では、過去のパソコン用語として語られることが多い存在になっています。


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