CD-ROM(シーディーロム/Compact Disc Read Only Memory)とは、あらかじめ書き込まれた内容を読み取るだけの、データ用のCDのことです。音楽用として生まれたCDに、コンピューターのデータを収める取り決めを加えたもので、ソフトの配布手段として長く使われました。
現実世界に例えると、CD-ROMは印刷された書籍のようなものです。読むことはできても、書き加えることはできません。同じものを大量に安く作れる点も、本の印刷とよく似ています。
CD-ROM図解
CDの仲間の中での位置
音楽用のCDに規格を足した
成り立ちを押さえておきます。1985年に、音楽用のCDの上に「データをどう並べるか」という取り決めを重ねる形で定められました。物理的な円盤そのものは音楽用と同じで、記録された内容の解釈のしかたが違う、という関係になっています。
型を押して量産する
CD-Rとの決定的な違いです。工場で原盤から型を作り、樹脂に凹凸を転写して大量に複製するため、一枚あたりの単価が非常に安くなります。書き込み機で一枚ずつ焼くCD-Rとは製造方法がまったく異なり、これが商用の配布に適していた理由です。
誤りに厳しい仕組みを備えた
データ用ならではの工夫があります。音楽なら多少の読み取り誤りは音に紛れますが、プログラムでは一ビットの違いが致命的になります。そのため音楽用より強力な誤り訂正の仕組みが追加され、そのぶん収められる容量はやや少なくなっています。
ファイルの並べ方にも規格がある
互換性を支えた部分です。ISO 9660という取り決めによって、どのOSからでも同じように読めるファイルの並べ方が定められました。当初はファイル名の長さに厳しい制限があり、後に拡張されています。この共通化のおかげで、機種を問わない配布が可能になりました。
倍速という表記
当時よく目にした数字です。音楽用の読み取り速度を一倍として、その何倍で読めるかを示したもので、24倍速、48倍速と競うように高速化が進みました。ただし外周と内周で実際の速度は変わるため、表記は最大値を示していることがほとんどです。
ソフト配布の主役だった
果たした役割の大きさです。フロッピーディスクでは何十枚も必要だったOSやゲームが一枚に収まり、音声や動画を含む製品が成り立つようになりました。1990年代の「マルチメディア」と呼ばれた流れは、この媒体があって初めて実現したものです。
いま出会う場面
現在の位置づけです。ソフトの入手はネット経由が当たり前になり、読み取り装置を持たないパソコンが主流になりました。それでも、古い機器に付属する設定用の円盤や、保管されている過去の資料を読む必要が残ることがあります。外付けの読み取り装置が備えとして役立ちます。



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