CD-DA(Compact Disc Digital Audio)とは、音楽CDに音声を記録するための規格のことで、私たちが「音楽CD」と呼んでいるものの正式な形式です。音をデジタルの数値に変えて円盤に刻む方式を定めたもので、1982年に世界で初めて音楽CDが発売されて以来、長く音楽の標準的な記録方式として使われてきました。
現実世界に例えると、CD-DAは楽譜を書くときの共通の書式のようなものです。書式が世界中で決まっているからこそ、どのメーカーのCDプレーヤーでも、どの国で作られたCDでも、同じように音楽を再生できます。
CD-DA図解
「レッドブック」と呼ばれる規格
規格の成り立ちです。CD-DAは、オランダのフィリップスと日本のソニーが共同で開発し、1980年に規格としてまとめました。規格書の表紙が赤かったことから「レッドブック」と呼ばれています。その後に作られたCD-ROMなどの規格も、表紙の色にちなんだ名前で呼ばれるようになりました。
音をどれだけ細かく記録するか
音質を決める数字です。CD-DAは、音の波を1秒間に44,100回測り、それぞれの大きさを65,536段階で記録します。これを左右2つのチャンネル分、ステレオで記録しています。人の耳に聞こえる範囲の音を十分に表せるように決められた数字で、今でも「CD音質」という言葉の基準になっています。
| 項目 | CD-DAの値 | 意味 |
|---|---|---|
| サンプリング周波数 | 44.1kHz | 1秒間に44,100回、音を測る |
| 量子化ビット数 | 16ビット | 音の大きさを65,536段階で表す |
| チャンネル数 | 2 | 左右のステレオ |
| データの量 | 約1,411kbps | 1秒あたりに読み出す情報の量 |
1枚に収まる時間
容量の話です。標準的な音楽CDには最大で約74分の音楽を記録でき、のちに約80分まで収められるディスクも広まりました。1枚の中は「トラック」と呼ばれる区切りで曲ごとに分けられ、最大で99曲まで登録できます。曲の頭出しができるのは、このトラックの情報があるからです。
パソコンのファイルとは違う
意外に知られていない点です。CD-DAの音楽は、パソコンのファイルのような形ではなく、ひと続きの音のデータとして円盤に記録されています。パソコンで音楽CDを開くと曲ごとのファイルが見えますが、これはOSが便宜上表示している目印で、中身の音声そのものではありません。コピーしても音楽は再生できないのはこのためです。
取り込みとリッピング
パソコンでの扱い方です。音楽CDの曲をパソコンやスマートフォンで聴くには、専用のソフトで読み出して、WAVやMP3などの音声ファイルに変換します。この作業は「リッピング」や「取り込み」と呼ばれます。CDと同じ音質のまま保存する形式を選べば、元の音を損なわずに残せます。
傷に強い仕組み
再生を支える工夫です。CD-DAには、ディスクの傷や汚れで一部のデータが読めなくなっても、周りのデータから元の値を計算して復元する誤り訂正の仕組みが組み込まれています。復元しきれない場合も、前後の音から推測して補うため、多少の傷なら音が途切れずに再生されます。
曲名を記録する拡張
のちに加わった機能です。もともとのCD-DAには、曲名や歌手名の文字の情報を記録する仕組みがありませんでした。そこで、文字の情報を一緒に記録できる「CD-TEXT」という拡張が登場しました。パソコンで取り込むときに曲名が自動で表示されるのは、多くの場合、インターネット上の曲名のデータベースを利用しているためです。
規格から外れたCDもあった
歴史のひとこまです。2000年代の初めには、パソコンでの複製を防ぐため、わざと規格から外れた作りにした「コピーコントロールCD」が販売されました。一部のプレーヤーで再生できないなどの問題が起き、CD-DAの規格を満たさないため、正式なCDのロゴも付けられませんでした。やがて販売は取りやめられています。



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