ROM(ロム/Read Only Memory)とは、読み出し専用として使われ、電源を切っても内容が消えない記憶装置のことです。日本語では「読み出し専用メモリ」と呼ばれ、機器を動かすために欠かせない基本的なプログラムを収めておく場所として使われてきました。
現実世界に例えると、ROMは印刷された説明書のようなものです。何度でも読み返せますが、書き換えることは想定されていません。その代わり、電源のあるなしに関わらず、いつでも同じ内容がそこにあります。
ROM図解
RAMとの違い
| 項目 | ROM | RAM |
|---|---|---|
| 電源を切ると | 内容が残る | 内容が消える |
| 主な用途 | 基本プログラムの保存 | 作業中のデータ置き場 |
| 書き換え | できない、または手順が必要 | 自由にできる |
どこで使われているか
パソコンの電源を入れた直後に動き出すBIOSやUEFI、家電やプリンターを制御するファームウェアなど、機器が起動するために最初に読み込まれるプログラムが、ROMに収められています。ここが消えてしまうと機器そのものが動かなくなるため、消えない性質が重要になります。
ROMの種類
ROMは、書き換えのしやすさによっていくつかの世代に分かれます。工場で内容を焼き込み一切変更できないマスクROMから始まり、一度だけ書き込めるPROM、紫外線で消去できるEPROM、電気的に書き換えられるEEPROMへと発展してきました。
今のROMは書き換えられる
現在広く使われているフラッシュメモリは、EEPROMの流れをくむ記憶装置です。「読み出し専用」という名前でありながら、実際には内容を書き換えられるため、機器のファームウェア更新が可能になっています。名前と実態が少しずれている、めずらしい用語だといえます。
スマートフォンの仕様表での「ROM」
スマートフォンの仕様表にある「ROM 128GB」という表記は、ここで説明したROMではなく、写真やアプリを保存しておくストレージの容量を指しています。日本で広まった独特の書き方で、海外の仕様表では「ストレージ」と表記されるのが一般的です。
「ROM専」は別の言葉
掲示板やSNSで見かける「ROM専」は、Read Only Memberの略で、書き込まずに読むだけの参加者を指す言葉です。記憶装置のROMとは由来が異なりますが、「読むだけ」という意味が重なっているため、混同されることがあります。
なぜ書き換えにくくしてあるのか
ROMに収められているのは、機器が動き出すための土台となるプログラムです。ここが誤って書き換わってしまうと、機器そのものが起動しなくなります。日常の操作では手が届かないようにしてあるのは、この事故を防ぐためです。
更新するときの注意
ファームウェアの更新は、ROMの内容を書き換える作業にあたります。更新の途中で電源が切れると、書きかけの状態で止まり、機器が起動しなくなることがあります。作業中は電源を抜かない、電池残量を確保しておくといった注意書きがあるのは、このためです。



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