SATA(サタ/Serial ATA)とは、ハードディスクやSSD、光学ドライブをパソコン本体につなぐための接続規格のことです。2000年代の初めに登場して以来、記憶装置をつなぐ標準的な方法として長く使われてきました。
現実世界に例えると、SATAは家庭に広く行き渡ったコンセントの形のようなものです。特別速いわけではありませんが、どの機器でも挿さり、どこにでもあります。その普及の広さこそが、いちばんの価値になっています。
SATA図解
世代ごとの速度
| 世代 | 理論上の速度 | 登場した時期と特徴 |
|---|---|---|
| SATA 1.0 | 1.5Gbps | 2003年。パラレルATAからの移行 |
| SATA 2.0 | 3Gbps | 2004年。NCQへの対応 |
| SATA 3.0 | 6Gbps | 2009年。現在も主流 |
並列から直列への転換
名前の由来がここにあります。それまでのATAは多数の線で同時にデータを送る方式でしたが、線の間で信号が干渉して速度を上げられなくなっていました。そこで、少ない線で一本ずつ高速に送る直列方式へ切り替えたのがSATAです。「シリアル」はこの直列を指しています。
ケーブルが細くなった
使う側にとって分かりやすい変化です。従来の幅広く硬い帯状のケーブルから、細く柔らかい線に変わり、本体内部の風通しが大きく改善しました。長さも最大1メートルまで伸ばせるようになり、大きなケースの中でも取り回しに困らなくなっています。
電源は別の端子から取る
取り付け時に押さえておく点です。データ用の細い端子とは別に、幅広い電源用の端子が用意されており、二本を挿して初めて動きます。どちらも形が非対称になっているため、逆向きには挿さらない作りです。片方の挿し忘れが、認識されない原因としてよくあります。
電源を入れたまま交換できる
知っておくと便利な機能です。ホットスワップに対応しており、設定と機器が対応していれば、動かしたままディスクを差し替えられます。サーバーで故障したディスクを止めずに交換する運用は、この仕組みによって成り立っています。家庭向けの機器では無効になっていることもあります。
SSDには速度が足りない
現在の最大の課題です。SATA 3.0の6Gbpsという上限は、実際の転送では毎秒およそ550メガバイトほどにあたり、いまのSSDの実力を出し切れません。より速いSSDは、PCI Expressを直接使うNVMeへ移りました。SATAのSSDが横並びの速度なのは、この頭打ちが理由です。
それでも現役である
とはいえ役割は残っています。大容量のハードディスクは回転部品の速度が上限になるため、SATAの帯域で十分に足ります。価格も安く、対応する機器も豊富なため、写真や動画をまとめて保管する用途では、いまも第一の選択肢であり続けています。
外付け向けの規格もあった
周辺の話題として触れておきます。本体の外から接続するためのeSATAという規格も用意され、外付けドライブを内蔵と同等の速度で使えるようにしていました。ただし電源を別に取る必要があり、USBの高速化が進んだことで、いまはほとんど見かけなくなっています。



コメント