FORTRAN(フォートラン)とは、1957年にIBMが開発した、世界最初期の高水準プログラミング言語の1つです。「Formula Translation(数式の翻訳)」に由来する名前の通り、科学技術計算のための数式を扱うことを目的に生まれました。
イメージとしては、FORTRANは長年使われ続けている老舗の計算道具のようなものです。見た目こそ古風でも、複雑な計算をこなす基本性能の高さから、専門分野では今も現役で使われ続けています。
FORTRANとは
FORTRANは、それまで機械語や記号の羅列で書かれていたプログラムを、数式に近い自然な形で記述できるようにした、画期的な言語として登場しました。人間が読み書きしやすい高水準言語の先駆けとして、後のプログラミング言語の発展に大きな影響を与えました。
FORTRAN誕生の背景
1950年代、コンピュータのプログラムは機械が直接理解できる命令を1つずつ手作業で書く必要があり、非常に手間のかかる作業でした。IBMのジョン・バッカスらのチームは、この負担を減らすため、数式をそのまま近い形で書けるプログラミング言語としてFORTRANを開発しました。
科学技術計算への強み
FORTRANは、大量の数値計算を高速に処理することを重視して設計されており、気象予測や物理シミュレーション、構造計算といった科学技術分野の計算処理を得意としています。この分野での実績の高さから、長年にわたって信頼を集めてきました。
FORTRANの特徴
数式に近い記述で計算処理を書ける読みやすさに加え、数値計算に特化した最適化がコンパイラに組み込まれていることも大きな特徴です。膨大な計算を繰り返す処理において、高い実行速度を発揮できる点が評価されています。
後世への影響
FORTRANが確立した「人間に読みやすい形で数式や処理を記述する」という考え方は、その後に登場した数多くのプログラミング言語の設計に影響を与えました。高水準言語という分野そのものの土台を築いた存在といえます。
現在も使われる理由
FORTRANは決して新しい言語ではありませんが、長年にわたって蓄積された、数値計算のための膨大な資産(既存プログラム)が今も活用され続けています。特に科学技術計算の分野では、こうした資産を活かすためにFORTRANが使われ続けています。
FORTRANが使われる分野
気象庁のようなシミュレーションを扱う研究機関、航空宇宙分野、大学の研究室など、大規模で高精度な数値計算が必要とされる専門分野で、FORTRANは今なお現役の言語として活用されています。
現代のプログラミング言語との違い
Webアプリ開発などで使われる近年の言語と比べると、FORTRANは数値計算に特化した、やや限定的な用途を持つ言語という位置づけです。汎用性よりも、特定分野での計算性能を追求した設計思想が、今も色濃く残っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登場年 | 1957年 |
| 開発元 | IBM(ジョン・バッカスらのチーム) |
| 得意分野 | 科学技術計算・数値シミュレーション |

コメント