コピーガード(Copy Guard)とは、映画や音楽、ゲーム、ソフトなどのデジタルの作品が、無断で複製されないようにするための仕組みのことです。「コピープロテクト」や「複製防止技術」とも呼ばれます。DVDやBlu-ray、テレビ放送、動画の配信サービスなど、さまざまな場面で使われています。
現実世界に例えると、コピーガードは美術館の展示室にある「撮影禁止」の決まりと、それを守らせる監視の仕組みのようなものです。作品は誰でも鑑賞できますが、勝手に写し取って持ち帰ることはできないようになっています。
なぜ必要なのか
目的の話です。デジタルのデータは、何度複製しても品質がまったく落ちないため、放っておくと、元とそっくり同じ複製が簡単に大量に作られてしまいます。複製が無断で出回ると、作品を作った人や会社に正当な収入が入らなくなります。コピーガードは、作り手の権利と収入を守り、新しい作品を生み出し続けられるようにするための仕組みです。
主なコピーガードの例
代表的なものです。コピーガードは、使われる媒体や場面ごとに、さまざまな方式があります。
| 使われる場面 | 主な方式 | していること |
|---|---|---|
| 市販のDVD | CSS | 映像を暗号化する |
| 市販のBlu-ray | AACS | 映像を暗号化する |
| テレビの録画 | ダビング10、CPRM | コピーの回数を制限する |
| HDMIでの接続 | HDCP | 機器の間の映像を暗号化する |
| 動画や音楽の配信 | DRM | 契約した人だけが再生できるようにする |
暗号化による保護
多くの方式に共通する仕組みです。現在のコピーガードの多くは、作品のデータを暗号化しておき、正規の機器やソフトだけが鍵を使って元に戻して再生できるようにしています。データをそのまま複製しても、鍵がなければ再生できません。正規の機器には鍵の扱い方に関する厳しい決まりがあり、複製された映像を外に出さない仕組みも組み込まれています。
テレビの録画とコピーの回数
身近な例です。日本の地上デジタル放送の番組は、録画した番組を何回までコピーできるかが決められています。かつては1回しか録画できない「コピーワンス」という決まりでしたが、使いにくいという声を受けて、現在は9回のコピーと1回の移動ができる「ダビング10」が広く使われています。録画用のディスクに保存するときは、CPRMという仕組みに対応したディスクが必要です。
HDMIの映像を守る仕組み
機器の接続での例です。テレビやモニターをHDMIでつなぐとき、映像の信号は「HDCP」という仕組みで暗号化されています。途中で映像を横取りして録画されるのを防ぐためです。HDCPに対応していないモニターや、変換のアダプターを使うと、動画の配信サービスなどの映像が映らなかったり、画質が下がったりすることがあります。
ゲームやソフトでの対策
映像や音楽以外の例です。パソコンのソフトやゲームでは、購入した人だけが使えるよう、製品ごとに異なる「プロダクトキー」の入力を求めたり、インターネットにつないで正規の購入かどうかを確かめたりする仕組みが使われています。かつてのゲームのカートリッジやディスクにも、複製したものでは起動しないような工夫が施されていました。最近は、ソフトをダウンロードで販売し、購入した人のアカウントにひも付けて管理する形が主流です。
音楽CDでの失敗例
過去の出来事です。2000年代の初めには、パソコンで取り込めないようにした「コピーコントロールCD」が発売されました。しかし、通常のCDの規格に沿っていなかったため、一部のプレーヤーで再生できないなどの問題が起き、利用者から強い反発を受けました。結局、数年で姿を消しました。コピーガードは、作品を守りながら、利用者の使いやすさを損なわない工夫が求められます。
法律との関係
必ず知っておきたい点です。日本では、2012年の著作権法の改正で、DVDなどの暗号化によるコピーガードを解除して複製することは、自分で楽しむためであっても違法になりました。また、コピーガードを解除するための装置やソフトを販売したり、提供したりすることも、法律で規制されています。手持ちのDVDをパソコンに取り込む場合でも、コピーガードの解除が伴う方法は使えないので注意しましょう。


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