PCI Express(ピーシーアイエクスプレス/PCIe)とは、グラフィックボードやSSDなどの拡張部品を、パソコンの本体に高速でつなぐための規格のことです。マザーボードに並ぶ細長いスロットがこれで、現在のパソコンの内部を支える中心的な通り道になっています。
現実世界に例えると、PCI Expressは車線の数を増やせる道路のようなものです。急ぐ車には多くの車線を割り当て、そうでないものには一車線で足ります。道路の規格が同じなので、どの車も同じ入口から入れます。
PCI Express図解
世代ごとの速度(1レーンあたり)
| 世代 | 速度の目安 | 登場した時期と主な用途 |
|---|---|---|
| Gen3 | 毎秒1ギガバイト弱 | 2010年。長く標準だった |
| Gen4 | およそ2倍 | 2017年。高速SSDが普及 |
| Gen5 | さらに2倍 | 2019年。最新の環境で採用 |
レーンという単位で束ねる
この規格の核になる考え方です。データの通り道を「レーン」という単位で数え、必要に応じて1本、4本、8本、16本と束ねて使います。「x16」のように書かれるのがその本数で、束ねるほど速くなります。グラフィックボードは16本、SSDは4本を使うのが一般的です。
世代が上がるたびに倍になる
性能の伸び方に規則性があります。新しい世代になるたび、1レーンあたりの速度がおよそ2倍になるという形で進化してきました。つまり、世代が一つ新しければ、半分のレーン数でも同じ速度が出ます。この関係が、部品の設計に幅を持たせています。
古い機器もそのまま挿さる
使う側にとって大きな利点です。世代が違っても端子の形は同じで、新しいスロットに古いカードを挿しても、その逆でも動きます。この場合は、低いほうの世代の速度で動作します。買い替えのたびにすべてを揃え直す必要がない、という安心感につながっています。
スロットの長さと中身は別
自作や増設で戸惑いやすい点です。見た目がx16の長さでも、実際に配線されているのはx4本だけ、ということがあります。取扱説明書には「x16形状(x4動作)」のように書かれています。挿さるのに期待した速度が出ない場合は、まずここを疑うのが近道です。
SSDの高速化を支えた
記憶装置との関わりが深まりました。従来のSATAでは速度が頭打ちになっていたため、SSDをこの通り道に直接つなぐ方式が生まれ、数倍の速さが実現しました。M.2スロットの多くは、内部でPCI Expressのレーンにつながっており、NVMeという取り決めでやり取りしています。
レーンの取り合いが起きる
設計上の制約として知っておくべきことです。CPUやチップセットが使えるレーンの総数は決まっており、SSDを増設するとグラフィックボードの本数が減る、といった配分の問題が起こります。拡張を計画するときは、スロットの数だけでなく、レーンの総数も確かめておきます。
用途が広がり続けている
現在の位置づけです。グラフィックボードや記憶装置に加え、高速なネットワークカード、映像の取り込み装置、AIの計算を担う部品まで、この通り道に集まってきています。パソコンの中で速度を求められるものは、いまやほとんどがここを経由していると言えます。



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