インクジェットプリンター(Inkjet Printer)とは、極めて細かいインクの粒を紙へ直接吹き付けて印刷する方式のプリンターのことです。家庭用として最も広く普及しており、写真の印刷に強いことと、本体が安く手に入ることが特徴になっています。
現実世界に例えると、インクジェットは霧吹きで絵を描く仕組みのようなものです。目に見えないほど小さな粒を、狙った場所へ正確に飛ばして色を重ねていきます。粒が細かいほど、なめらかな階調が表現できます。
インクジェットプリンター図解
インクを飛ばす二つの方式
| 方式 | 飛ばし方 | 特徴 |
|---|---|---|
| サーマル | 熱で泡を作って押し出す | 構造が単純で安く作れる |
| ピエゾ | 電圧で素子を変形させる | インクを選ばず粒を制御しやすい |
色を重ねて表現する
印刷の基本を押さえておきます。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの四色を組み合わせ、粒の密度を変えることで、中間の色や濃淡を作り出しています。写真向けの機種では、薄い色のインクをさらに加えて六色や八色とし、階調のなめらかさを高めているものもあります。
写真の印刷に向いている
最も得意とする分野です。粒がとても小さく、色の境目をぼかしながら重ねられるため、空のグラデーションや肌の色といった微妙な変化を再現できます。専用の光沢紙を使えば、写真店の仕上がりに近い出力が家庭でも得られます。年賀状の印刷でこの方式が選ばれるのもこのためです。
本体は安く、インクは高い
費用の仕組みを知っておくと納得しやすくなります。本体を安く売り、消耗品であるインクで利益を得る、という価格の組み立てが長く取られてきました。一枚あたりの印刷費はレーザー方式より高くつくことが多く、印刷量の多い家庭では、この差が年間では大きな金額になります。
大容量インクという選択肢
近年の変化として重要です。カートリッジではなく大きなタンクへインクを補充する方式の機種が増え、一枚あたりの費用が大幅に下がりました。本体の価格は高めですが、印刷する枚数が多い家庭や小規模な事業所では、数年使えば元が取れる計算になります。
使わないと目詰まりする
この方式で最も多いトラブルです。インクを噴き出す穴はごく小さいため、長く使わないと中で乾いて固まり、色が出なくなったりすじが入ったりします。月に一度は何か印刷する、こまめに電源を切って蓋を閉じた状態にしておく、といった習慣が予防になります。
水に濡れるとにじむ
知っておきたい弱点です。一般的な染料のインクは水に溶ける性質があるため、印刷物が濡れると文字や色が流れてしまいます。屋外で使う書類や、長く保存したい資料には、水に強い顔料のインクを使う機種を選ぶか、別の方式を検討するほうが安心です。
選ぶときの見どころ
購入時の判断材料を挙げます。写真が主なら色数の多い機種、文書が主なら黒だけ顔料インクの機種、枚数が多いなら大容量タンクの機種、という順に絞ると迷いません。あわせて、その機種のインクがいつまで供給されるかも、長く使ううえでは無視できない点になります。



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