P2P(ピーツーピー/Peer to Peer)とは、中心となるサーバーを介さず、端末どうしが直接つながってやり取りする通信の形のことです。日本語では「ピア・ツー・ピア」と呼ばれ、参加する機器がすべて対等な立場であることが特徴です。
現実世界に例えると、P2Pは参加者どうしが直接手渡しで資料を配る集まりのようなものです。受付にすべてを集めて配り直す方式とは違い、受け取った人が次の人へ渡していくため、人数が増えても受付に行列ができません。
P2P図解
サーバーを中心とする形との違い
| 項目 | サーバー・クライアント型 | P2P型 |
|---|---|---|
| 役割 | 提供する側と受ける側に分かれる | 参加者が対等 |
| 混雑 | 利用者が増えると中心に集中 | 参加者が増えるほど分散する |
| 停止の影響 | 中心が止まると全体が止まる | 一部が抜けても続けられる |
| 管理 | しやすい | 把握しにくい |
参加者が増えるほど強くなる
通常の仕組みでは、利用者が増えるほどサーバーの負担が重くなります。ところがP2Pでは、参加者そのものが配る側にも回るため、人数が増えるほど全体の運び手も増えていきます。この性質が、大きなデータの配布に向いている理由です。
止まりにくいという利点
中心となる装置が存在しないため、一部の参加者が接続を切っても、残りの参加者どうしで通信を続けられます。特定の一点が壊れると全体が使えなくなる、という弱点を持たない構造です。
どこで使われているか
ファイルの配布や動画の配信、通話アプリの一部、そしてブロックチェーンの仕組みもP2Pの考え方の上に成り立っています。大きなソフトウェアの配布に利用されることもあり、身近な場面で静かに働いています。
管理しにくいという弱点
中心が無いということは、誰が何をやり取りしているのかを把握したり、止めたりすることが難しいということでもあります。組織の中では、意図しない通信の経路になりうる点が問題になります。
悪い印象がついた経緯
かつて日本では、P2Pを使ったファイル共有ソフトによる著作権侵害や情報流出が大きく報じられました。そのため技術そのものが危険であるかのような印象が広まりましたが、P2Pはあくまで通信のやり方であり、善悪は使い方によります。
企業での注意点
社内の回線を圧迫したり、外部との想定外の通信を生んだりするおそれがあるため、P2Pを使う通信を制限している組織は少なくありません。導入する際は、ネットワークの管理者と相談しておく必要があります。
純粋な形と、一部だけ中心を置く形
P2Pにも種類があります。完全に中心を持たない形のほかに、参加者を探すための案内役だけをサーバーが担い、実際のやり取りは端末どうしで行う形もあります。後者は相手を見つけやすい一方で、その案内役が止まると新規の参加ができなくなります。
身近なところで働いている
意識せずに使っている場面も多くあります。ゲーム機の更新データや、大容量のソフトウェアを配る際に、利用者どうしで分け合う仕組みが取り入れられていることがあります。提供元の負担を減らしつつ、受け取る側も速く手に入れられる形です。



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