スーパーコンピューター(Supercomputer)とは、天気予報や新しい薬の開発、宇宙や地球の研究など、膨大な計算を必要とする目的のために作られた、非常に高い計算能力を持つコンピューターのことです。「スパコン」と略され、国の研究機関などが運用し、科学技術の発展を支えています。
現実世界に例えると、スーパーコンピューターは何万人もの計算の達人を大きな会場に集め、1つの巨大な問題を分担して一斉に解かせる仕組みのようなものです。1人では一生かかる計算も、全員で取り組めば短い時間で終わらせられます。
スーパーコンピューター図解
たくさんの計算装置を束ねて動く
仕組みの基本です。現在のスーパーコンピューターは、1台の巨大なコンピューターではなく、数千から数万台の計算装置を高速なネットワークで結び、同時に動かす形で作られています。1つの大きな問題を細かく分け、それぞれの装置で並列に計算することで、桁違いの処理能力を生み出しています。
性能の測り方
速さの単位です。スーパーコンピューターの性能は、1秒間に何回の計算ができるかを表す「FLOPS(フロップス)」という単位で示されます。2022年には、1秒間に100京回(10の18乗回)を超える「エクサ級」の計算能力を持つ機種が、米国で初めて登場しました。世界の性能の順位は、「TOP500」というランキングとして年に2回発表されています。
日本の代表的なスーパーコンピューター
国内での歩みです。日本は、スーパーコンピューターの開発で世界の上位を争ってきました。
| 名前 | 主な時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 地球シミュレータ | 2002年〜 | 地球規模の気候の研究のために作られ、当時世界1位に |
| 京 | 2011年〜 | 世界1位を獲得。1秒間に1京回の計算を世界で初めて達成 |
| 富岳 | 2020年〜 | 4期連続で世界1位を獲得。感染症対策の研究にも活用 |
天気予報や防災に使われる
身近な活用です。毎日の天気予報は、大気の動きを細かい格子に分けて計算するシミュレーションによって作られており、スーパーコンピューターが欠かせません。台風の進路や大雨の予測、地震や津波の被害の想定など、防災の分野でも重要な役割を果たしています。
新しい薬や素材の研究
科学技術での活用です。薬の候補となる物質が、体の中のたんぱく質とどう結び付くかを計算したり、新しい素材の性質を予測したりする研究に使われています。実験を何度も繰り返す前に、計算で見込みのある候補を絞り込めるため、研究の時間と費用を大きく減らせます。
AIの学習にも活躍
近年の広がりです。大量のデータから学習する生成AIの開発には、膨大な計算が必要であり、多数のGPUを並べたスーパーコンピューターが使われています。科学の計算のための機械として発展してきたスーパーコンピューターは、現在ではAIの開発を支える基盤としても、世界中で整備が進められています。
膨大な電力と冷却が必要
運用の課題です。スーパーコンピューターは、小さな町ひとつ分に匹敵するほどの電力を使い、計算装置から出る大量の熱を冷やすための設備も欠かせません。そのため、性能だけでなく、使った電力あたりの計算量を高めることも重視されており、省電力の性能を競うランキングも発表されています。
量子コンピューターとの関係
これからの話です。特定の計算を高速に解く量子コンピューターが注目されていますが、すべての計算でスーパーコンピューターに取って代わるわけではありません。現在は、それぞれの得意な計算を組み合わせて使う研究が進められており、スーパーコンピューターと量子コンピューターをつないだ計算の仕組みづくりも始まっています。



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