IPP(アイピーピー/Internet Printing Protocol)とは、ネットワークを通じてプリンターへ印刷を指示するための取り決めのことです。日本語では「インターネット印刷プロトコル」と呼ばれ、現在売られているプリンターのほとんどが対応しています。
現実世界に例えると、IPPは印刷を頼むときの共通の書式のようなものです。相手がどのメーカーの機械であっても、同じ書き方で「これを何部、両面で」と伝えられるようにした決まりごとです。
IPP図解
ウェブと同じ仕組みの上で動く
IPPの特徴は、ウェブページのやり取りに使われるHTTPの上に成り立っている点です。すでに広く使われている仕組みを土台にしたことで、通信の暗号化などの機能をそのまま利用できます。
使われる番号
IPPの通信には、631番という決まった出入口が使われます。プリンターがネットワーク上のどこにあっても、この番号を通じて印刷の指示や状態の確認をやり取りします。
印刷以外にもできること
| できること | 内容 |
|---|---|
| 印刷の指示 | 文書を送り、部数や用紙を指定する |
| 状態の確認 | 印刷中か、待ち行列に何件あるかを調べる |
| 取り消し | 送った印刷を途中で止める |
| 能力の問い合わせ | 両面やカラーに対応しているかを尋ねる |
ドライバーが要らなくなった
かつては、プリンターごとに専用のソフトを入れる必要がありました。IPPを発展させた仕組みによって、機種ごとの追加導入をせずに印刷できるようになっています。買ってきてつなぐだけで使える背景には、この取り決めがあります。
スマートフォンからの印刷
アップルの端末で使われる印刷の仕組みや、Android向けの同様の仕組みも、いずれもIPPを土台にして作られています。機種を問わず手元の端末から印刷できるのは、共通の取り決めがあってこそです。
今後さらに主流になる
マイクロソフトは、他社製のプリンター用ソフトへの対応を将来的に終える方針を示しており、IPPを使った印刷への移行が進んでいます。特別な技術ではなく、標準の道筋になりつつあります。
安全面での注意
便利な一方で、631番の出入口が社外に向けて開いたままになっていると、外部から印刷の指示を送られたり、機器の情報を調べられたりするおそれがあります。社内でのみ使う設定にしておくことが基本です。
それまでの印刷方式との違い
ネットワーク印刷には、以前から使われてきた別の取り決めもありました。それらは印刷を送りつけるだけで、状況を知る手立てがほとんどありませんでした。IPPは指示と応答を双方向でやり取りできるため、何が起きているかを把握しやすくなっています。
用紙切れも分かる
印刷したのに出てこない、という場面で役に立ちます。用紙が無いのか、詰まっているのか、他の人の印刷を待っているのか。その理由が手元の画面に表示されるのは、状態を問い合わせる仕組みが備わっているためです。



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