エミュレーター(Emulator)

エミュレーター(Emulator)図解 E
PR
PR

エミュレーター(Emulator)とは、あるコンピューターや機器の動きを、別のコンピューターの上でソフトウェアなどを使って再現し、本来その機器向けに作られたプログラムを動かせるようにする仕組みのことです。スマートフォンのアプリ開発や、古いパソコンやゲーム機の再現など、幅広い場面で使われています。

現実世界に例えると、エミュレーターは外国語の台本を、その場で同時通訳しながら演じてくれる役者のようなものです。台本そのものは書き換えずに、別の言葉しか分からない観客にも同じお芝居を届けられます。

エミュレーター図解

エミュレーター(Emulator)図解
※画像をクリックすると拡大表示します。

何をまねているのか

仕組みの基本です。エミュレーターは、再現したい機器のCPUが理解する命令を1つずつ読み取り、それを自分のコンピューターが理解できる命令に置き換えて実行します。画面の表示や音、ボタンの入力といった周りの部品の動きも、ソフトウェアで作り出します。こうして、まったく別の作りのコンピューターの上で、元の機器のプログラムが動きます。

似た言葉との違い

混同しやすい言葉の整理です。エミュレーターは、シミュレーターや仮想化と似ていますが、目的や仕組みが異なります。

言葉 していること 例
エミュレーター 別の機器の動きを再現し、元のプログラムを動かす 古いゲーム機の再現
シミュレーター 見た目や振る舞いを模擬して試す 飛行機の操縦訓練
仮想化 同じ種類のCPUの上で、別のコンピューターを動かす 仮想マシン

アプリ開発での活用

身近な使い道です。スマートフォンのアプリを作るときは、パソコンの上でスマートフォンの動きを再現するエミュレーターを使って、動作を確かめます。画面の大きさやOSの版が異なる機種を何台も用意しなくても、さまざまな環境で試せるため、開発の手間と費用を大きく減らせます。

古い機器の再現

もうひとつの代表的な使い道です。製造が終わった昔のパソコンやゲーム機を、今のパソコンの上で再現するエミュレーターも数多く作られています。実機が壊れたり手に入らなくなったりしても、当時のソフトウェアを動かし続けられるため、文化や技術の記録を残す手段としても注目されています。

公式の復刻にも使われる

ビジネスでの活用です。ゲーム会社が、昔のゲームを新しいゲーム機やスマートフォンで遊べるように復刻する際にも、エミュレーターの技術が使われています。権利を持つ会社が正式に提供するものなので、安心して昔の作品を楽しめます。古い作品を新しい世代に届ける手段として、広く活用されています。

動作が重くなりやすい

弱点です。命令を1つずつ置き換えながら実行するため、元の機器で動かすよりも、多くの計算の力が必要になります。そのため、再現する側のコンピューターには、元の機器よりはるかに高い性能が求められます。命令の置き換えをまとめて行うなど、速く動かすための工夫が続けられています。

権利への注意

使うときの大切な注意点です。エミュレーターそのものは合法な技術ですが、ゲームなどのソフトウェアや、機器の内部のプログラムには著作権があります。権利者の許可なくインターネットで配布されているデータを入手して使うことは、法律に触れるおそれがあります。正規に提供されている方法で楽しむようにしましょう。

ほかの意味の「エミュレーター」

言葉の広がりです。文字のコマンドを入力する画面のアプリは「ターミナルエミュレーター」と呼ばれ、昔の端末の動きをまねていることから、この名前が付いています。このように、ある機器の振る舞いをまねて代わりを務めるものは、広く「エミュレーター」と呼ばれています。

あわせて知っておきたい用語

  • 仮想マシン:
    ソフトウェアによって作り出された、仮想的なコンピューターです。
  • シミュレーション:
    現実の動きや状況を、模型や計算で再現して試すことです。
  • 互換性:
    異なる機器やソフトウェアの間で、同じように使えることです。
  • CPU:
    コンピューターの中で計算や制御を行う中心的な部品です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました