ナローバンド(Narrowband)とは、電話回線を使った、通信速度の遅い接続方式のことです。「狭い帯域」を意味する言葉のとおり、一度に送れるデータの量が限られており、常時接続が当たり前になった現在の「ブロードバンド」と対比して使われます。
現実世界に例えると、ナローバンドは車線の少ない細い道路のようなものです。通れる車(データ)の数が限られているため、大きな荷物を運ぼうとすると、どうしても時間がかかってしまいます。
ナローバンド図解
「狭い」が指しているもの
ナローバンドという名前は、通信に使える周波数の範囲(帯域幅)が狭いことに由来しています。使える周波数の範囲が狭いほど、一度に送れる情報量は少なくなり、結果として通信速度が遅くなります。
ダイヤルアップ接続という代表例
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| ダイヤルアップ接続 | 電話回線でその都度接続。最大56kbps程度 |
| ISDN | ダイヤルアップよりやや高速なデジタル回線 |
接続するたびに料金がかかった時代
ナローバンドが主流だった時代は、インターネットに接続するたびに電話料金が発生し、通話回線も同時にふさがってしまうという制約がありました。長時間の接続は避けられがちで、利用そのものに気を遣う必要がありました。
ブロードバンドへの移行
常時接続で大容量のデータをやり取りできるブロードバンドの普及により、ナローバンドは一般家庭のインターネット接続としては、ほぼ役目を終えた技術となりました。動画のような大きなデータを扱う現代の使い方には、そもそも対応できません。
今も残る「ナローバンド」という言葉
一般的なインターネット接続としては姿を消しましたが、「狭い帯域で通信する」という考え方自体は、別の分野で現在も活用されています。速度よりも、消費電力の少なさや通信可能な距離の長さが求められる場面で見直されています。
NB-IoTという新しい活躍の場
その代表例が「NB-IoT(Narrowband IoT)」で、狭い帯域を使うことで消費電力を抑えながら、広い範囲にセンサーなどのデータを送信できる通信方式です。ガスや水道のメーター、農業用のセンサーなど、大量のデータ送信を必要としない機器で活用されています。
無線通信全般での使われ方
無線通信の分野では、限られた周波数帯を効率よく使い分けるために、あえて狭い帯域幅の通信方式を採用する場面もあります。用途によっては、広い帯域よりも狭い帯域のほうが適している場合があるという点は、覚えておく価値があります。
まとめ
ナローバンドは、かつてのインターネット接続を支えた、狭い帯域幅による通信方式です。一般利用では過去のものとなりましたが、その考え方は、省電力性が求められる新しい通信技術の中で今も生き続けています。



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