tar(ター)とは、複数のファイルやフォルダを1つのファイルにまとめるための、UNIX・Linux系でよく使われるコマンド・形式のことです。名前は「Tape ARchive(テープアーカイブ)」の略で、その名のとおり、もともとは磁気テープにデータを書き出すための仕組みとして作られました。
現実世界に例えると、tarは荷物を圧縮せず、ひとまとめに紐で束ねる作業のようなものです。個々の荷物の大きさは変わりませんが、バラバラだった荷物を1つの塊として扱えるようになります。
tarは1979年頃に登場した、非常に歴史の長いコマンドです。当時のコンピュータはデータの保存や受け渡しに磁気テープを使うのが一般的で、複数のファイルを順番にテープへ書き出すための仕組みとして生まれました。テープという媒体はなくなりましたが、その考え方と名前は今も現役で使われ続けています。
tar図解
tarの特徴
zipとの大きな違いは、tarそれ自体には圧縮の機能がないという点です。tarは「複数のファイルを1つに束ねる」ことだけを行い、容量を小さくする処理は含みません。そのため、実際には他の圧縮ツールと組み合わせて使うのが一般的です。
よく使われる組み合わせ
| 拡張子 | 内容 |
|---|---|
| .tar | 圧縮されていない、束ねただけのファイル |
| .tar.gz(.tgz) | tarで束ねた後、gzipで圧縮したもの |
| .tar.bz2 | tarで束ねた後、bzip2で圧縮したもの |
この「まず束ねて、それから圧縮する」という2段階の考え方が、UNIX・Linuxの世界で長く受け継がれてきたtarの特徴です。役割を分けることで、圧縮方式だけを別のものに差し替えるといった柔軟な使い方もできます。
基本的なコマンド例
| オプション | 意味 |
|---|---|
| -c | 新しいアーカイブを作成する |
| -x | アーカイブからファイルを展開する |
| -v | 処理内容を詳しく表示する |
| -t | アーカイブの中身を一覧表示する |
| -f | 対象とするファイル名を指定する |
zipとの違い
zipは「まとめる」と「圧縮する」を同時に行う形式、tarは「まとめる」ことに特化した形式です。Windowsではzipが標準的ですが、サーバー環境やLinuxの現場では、今もtarがファイルの受け渡しやバックアップの定番として広く使われています。ソフトウェアの配布ファイルが「〜.tar.gz」という名前になっているのを見かけることも多いはずです。
あわせて知っておきたい用語
- zipファイル:
複数のファイルをまとめて圧縮する、Windows標準の形式です。 - UNIX(ユニックス):
tarが生まれた、OSの草分け的存在です。 - アーカイブ:
複数のファイルを1つにまとめること、または長期保存のことです。 - 拡張子:
ファイル名の末尾に付く、ファイルの種類を表す部分です。



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